SVS3使用構築「スキあり!ゴチリンコ」(最終レート2007、1078位)
SVでは初めまして。失格人間と申します。シーズン3お疲れさまでした。
実はSVイチの瞬間火力が出せるイキリンコ。本構築ではサポート役としての採用ですが、この記事を通じてイキリンコの魅力が皆さんに伝わればこれ幸いです。
コンセプト
イキリンコで火力を削ぎ、ゴチルゼルでハメる、もしくは他のコマで受けつつ殴る。
個体紹介
キョジオーン
テラスタイプ:フェアリー
持ち物:かえんだま
性格:わんぱく
特性:きよめのしお
努力値:252-0-4-0-252-0
実数値:207-120-165-×-142-56
技構成:しおづけーなげつけるーてっぺきーじこさいせい
調整:両受け意識B補正HD
かえんだまの有用性
キョジオーンのメジャーな持ち物としてはたべのこしやオボンのみが想像つくと思いますが、このキョジオーンはかえんだまを持たせています。その理由としては大きく分けて二つあります。
一つ目は特性との兼ね合いです。キョジオーンは特性により状態異常にならないため、かえんだまを悟られずに物理へ接近することができます。テラスタルによる有利をとれると思っていた相手に不意のやけどを負わせることで逆に有利盤面になるということです。
二つ目は他メンバーとの兼ね合いです。たべのこしがゴチルゼルに取られているというのもありますが、基本的に裏のメンバーは比較的耐久の高いポケモンばかりなので、物理の火力をやけどにより削ぐことでサイクルへの負荷を大きく抑えることができます。
フェアリーテラスタルの有用性
やはりというか、受け役のキョジオーンはフェアリーテラスが一番合ってますね。カイリューやガブリアス、コノヨザルなどを相手取るにあたって、総合的に被ダメージを抑えられるのテラスタイプはフェアリーを置いてほかにないと、使っていて感じました。
なんといってもコノヨザル対面のとてつもない安心感です。先述のかえんだまと相まって殴り負けなくなります。ちょうはつをされてもなげつける連打でふんぬのこぶしの威力が上がらないのも地味に偉いです。
ロトム
テラスタイプ:フェアリー
持ち物:こだわりメガネ
性格:ひかえめ
特性:ふゆう
努力値:252-0-4-252-0-0
実数値:157-76-128-172-127-106
調整:火力一筋にしたけど耐久型の方がよかったかも
ほうでん採用の理由
フェアリーテラスを採用している手前、テラバーストでの技範囲拡大は魅力的ですが、このパーティは総合力で勝つことを前提にしているため、三割の麻痺による足削ぎが有用であると判断しました。それに水ロトムのフェアリーテラバーストは知れ渡っているでしょうし、読まれていろいろされるのが関の山です。実際ロトムサザンドラ対面でいきなりはがねテラスを切られてテラバーストを打たれたこともありました。
とここまで書いて、それならおにびやでんじは撒き散らす型の方が合ってたんじゃないかーとか思ったり思わなかったり。
こだわりトリック+かげふみ
こだわりアイテムを相手に押しつけ、変な技でロックした相手をゴチルゼルでハメて勝ちにいくという構想は前作・剣盾で使用した構築「ゴチルナンス」から着想を得ていました。実際にこの動きが決まるということはなかったのですが、手札の一つとして仕込んでおくのはなかなかに意義があったと思っています。
セグレイブ
テラスタイプ:じめん
持ち物:とつげきチョッキ
性格:いじっぱり
特性:ねつこうかん
努力値:4-252-0-0-0-252
実数値:191-216-112-×-106-139
技構成:きょけんとつげきーつららおとしーこおりのつぶてーじしん
調整:ミラー意識準速
魂のAS振り
経験則になりますが、最近のセグレイブはとつげきチョッキHA型がメジャーであると感じています。セグレイブを使っている方ならわかると思いますが、セグレイブセグレイブ対面の不毛さは底知れぬ不快感を覚えるものです。そこに終止符を打つ魂のASぶっぱセグレイブです。上からきょけんとつげきしてGGです。テラスじゃんけんは知りません。勝ったもん勝ちです。
つららおとし過激派
この際だからはっきり言わせてもらいますが、いかさまダイスを持たせていないのにつららばりを採用しているのは夢を見すぎていると思います。せいぜい三発当たるのが関の山で、追加効果すらない貧弱な技なのに、ヒット数で一喜一憂していてはただ疲れるだけです。一方でつららおとしはというと、つららばり三発分の威力を上回る威力85、さらに三割で怯ませるオマケつき。素早さ関係で有利がとれていればどれだけタイプ相性が不利な盤面でも突破する可能性を与えてくれます。やはりどう考えてもつららおとし一択です。間違いない。
おいそこのお前!威力期待値はつららばりの方が高いとか言うな!事実陳列罪で訴えるぞ!
イキリンコ
テラスタイプ:ひこう
持ち物:こだわりスカーフ
性格:ようき
特性:いかく
努力値:252-36-0-0-0-220
実数値:189-121-71-×-71-154
技構成:ブレイブバードーいのちがけーすてゼリフーとんぼがえり
調整:過剰なSを少し削って火力補強
対面操作特化
本構築のMVP、イキリンコの主たる役割は相手の火力を削ぎながらの対面操作で裏が動けるスキを作る。基本的に初手選出から即すてゼリフ。ゴチルゼルでハメられるポケモンだったらゴチルゼルに交代。そうでなかったり相手も後退してきたらその都度交代先選択。やってることは非常に単純ですが、パーティへの貢献度はピカイチでした。
もともとは剣盾時代の後期にチラホラ見かけたガエンゴチルの並びを模倣しようとした際に辿り着いたポケモンで、ガオガエンとは異なり中速低耐久であるため、スカーフを持たせて上から対面操作をする型に仕上げました。
役割遂行で一番厄介なのは、すてゼリフを無効化してくるサーフゴーです。構築的にもサーフゴーのとおりは悪くないため頻繁に選出されました。そのため、サーフゴー入りにはそもそも選出しないか、とんぼがえりで妥協するしかないです。裏がサーフゴーに厚めなのが幸いです。
数少ない役割対象の存在
サポーターとしての動きを想定していると先述しましたが、実は何匹かイキリンコで倒すことを想定している役割対象がいます。
一匹目はハバタクカミです。耐久に振らない眼鏡型が初手に来ることが多く、裏のテラスタルが重要でない場合、ひこうテラスを切ってブレイブバードでワンパンしていました。テラスを切らないと確定一発にならないのがネックです。
二匹目はコノヨザルです。初手に来るコノヨザルはやらしいことをしてくる場合が多いので、突破したいところですが、経験則上初手コノヨザルのパーティは相手にする場合は裏のテラスタルが重要になることが多いため、イキリンコにテラスを切ることはできません。そして当然、素のブレイブバードは大体耐えられます。その時はセグレイブのつぶてで仕留めるか、生き残れば二撃目で沈めます。
三匹目はクエスパトラです。単品のクエスパトラは初手で悪さするため、いのちがけで仕留めます。壁の後ろから出てくるクエスパトラは降参案件です。
その他、イキリンコの価値がそこまで高くないパーティで初手にいのちがけ圏内のポケモンが来たら仕留めるようにしていました。ロトムあたりが該当しますね。
ウルガモス
テラスタイプ:くさ
持ち物:あつぞこブーツ
性格:ずぶとい
特性:ほのおのからだ
努力値:244-0-244-4-4-12
実数値:191-72-127-156-126-122
技構成:ほのおのまいーギガドレインーちょうのまいーあさのひざし
調整:ほぼHB
サイクル意識のあつぞこブーツ
この型自体はよく見かけるかと思いますが、持ち物としては他にオボンのみなどが候補になると思います。このパーティだとサーフゴーなどに後投げすることが結構多く、またガモスを見たらステロをまくことを信条にしてる人も多いので、嚙み合った持ち物だったと思います。
個人的に特筆すべき動きとして、そこそこ重い眼鏡ハバタクカミを相手取るときに、キョジオーンやセグレイブにムーンフォースを打たせて固定し、颯爽としに出しウルガモスでちょうのまいを積む動きが非常に決まることが多いように感じました。ウルガモスはH振りだけではステロとテラス眼鏡ムーンフォースで落とされてしまうため、ここでもあつぞこブーツが活きました。
ゴチルゼル
テラスタイプ:フェアリー
持ち物:たべのこし
性格:ずぶとい
特性:かげふみ
努力値:252-0-252-0-4-0
実数値:177-54-161-115-131-85
技構成:アシストパワーーめいそうーあまえるーねむる
調整:HB
めいそう or みがわり
もともとこの子はサイケこうせん+みがわり型で物理ポケモンをハメるためだけに使っていました。対象としては環境にあふれるチョッキセグレイブが主です。というかこいつを分からせるために採用したまであります。みがわり採用により耐久型の弱点である急所や一撃必殺の回避に希望が見いだせ、サイケこうせんにより豊富なppとたまに引く混乱、そしてあまえるによる自傷ダメージの低減という素晴らしいシナジーがありました。
とはいうものの、環境終盤で上位陣を相手取るに際し、想定していた動きが取れないことが多くなっていきました。ハメようとしていた物理ポケが積み技もってたり、いかくを貰った物理ポケがそそくさと後退していったりなどです。これによりあと一勝で2000という場面を何度も見るハメになりました。そこで最後の最後で技構成をテンプレ型に変更したところ、やっぱり強かった。イキリンコとのタッグにより問答無用で広い範囲にハメを開始できる点は流石でした。でもアシストパワーはあくのはどうでもいいかも。
正解のテラスタイプとは
ゴチルゼルのテラスタイプは何が多いのか見てみたところ、一位がひこうで二位がフェアリーでした。はがねやあくも魅力的でしたが、このパーティではフェアリーでの採用となりました。理由としてはキョジオーンと通じるところもあるのかなと思いますが、一番はセグレイブのきょけんとつげき急所貫通を防ぎつつ弱点を突かれにくいタイプであるという点です。
とはいっても正解というものはないと考えています。誰をハメ対象にするかで変わりますし、セグレイブを対策したいならはがねテラスロトム辺りが非常に安定ですからね。てか正直ガッサがウザすぎたのでアイツ特化に草テラスにしても面白いかもしれません。そもそもゴチルゼルという相手の選出に大きな影響を受けるポケモンは毎試合ガンガン投げるようなポケモンではないですし、「こいつだけは絶対にころ、す」という対象を設定した動きに収束すべきですね。
さいごに
こんなところまで読んでいただき恐悦至極に存じます。ここでは短めのあと語りのようなものを綴ります。
イキリンコはSV発売直後からそのポテンシャルの高さゆえに個人的に注目していたポケモンでした。凄まじい火力を出すことができ、面白い技を豊富に覚え、尚且つかわいい。そのイキリンコを採用したパーティで今回のようなそこそこの結果を残せたことで、イキリンコのことを知り、使う人がふえてくれれば本望です。
今回の構築等に関してご意見、ご質問、ご指摘などございましたら、どうぞお気軽にわたくし失格人間のtwitter(@shikkaku_human)までご連絡いただければ幸いです。
それではまた。良きポケモンライフを。